日本畜産学会報
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ニワトリの骨格筋重量に関する品種および雌雄間の差異について
岩元 久雄高原 斉岡本 正夫
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1977 年 48 巻 6 号 p. 308-314

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抄録
ニワトリの骨格筋全量の生体重に占める割合(生体重比)は週齢が進むにつれて増加するが,その増加過程が品種および雌雄間でどのように異なるか,また,品種および雌雄間の産肉能力の差異といかなる関係にあるかをニワトリの産肉性に関する研究の一環として検討した.使用した品種はWhite Cornish種(WC)雄,Rhode Island Red種(RIR)雌雄,Barred Plymouth Rock種(BPR)雌雄ならびにWhite Leghorn種(WL)雌雄であった.鶏体の骨格筋全量を2週齢から18-19週齢まで計測し,これと生体重の間に回帰方程式を求めた.この回帰方程式に基づき,各品種および雌雄間で産肉能力を比較検討した.その結果,各品種の雌雄とも生体重比は生体重の増加とともに著しく増加し,その増加様式に品種および雌雄差が認められた.雄でWCは生体重増加が著しく,生体重2kg以後になると同一生体重時で比較したときの生体重比も高くなり,産肉能力の勝れた品種であった.これに対して,WL雄は同一生体重時で比較したときの生体重比は高かったが,生体重成長が劣り,産肉能力はもっとも劣った.RIRとBPR雄は同様な生体重の成長曲線を示したが,同一生体重時で比較したときの生体重比の違いにより,後者の方が幼齢期に高い産肉能力を示した.また,雌の品種間でも雄とまったく同様の傾向が認められた.雌雄間では同一生体重時で比較すると雌の方が大きい生体重比を示したが,生体重成長の違いにより同一週齢時では両者間の生体重比にほとんど差が認められなかった.しかし,生体重の大きい雄の方が雌よりも産肉能力は高いといえよう.
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