1978 年 49 巻 5 号 p. 358-363
牛乳より酸性ホスファターゼを比活性約2.7単位に精製し,オレンジIIおよびコンゴーレッドによる本酵素の可逆的拮抗阻害について検討した.オレンジIIおよびコンゴーレッドは本酵素に拮抗阻害剤として作用し,反応5分後においてオレンジIIにより活性の72%が,またコンゴーレッドによって90%が阻害された.それらの阻害定数はそれぞれ8.7×10-5Mおよび7.0×10-6Mであった.なお,オレンジIIおよびコンゴーレッドによって阻害された酵素はいずれもSephadex G-25カラム処理によって,オレンジIIでは75%,コンゴーレッドでは84%を回復した.したがって,オレンジIIおよびコンゴーレッドは本酵素に可逆的拮抗阻害剤であった.