日本畜産学会報
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粗飼料と濃厚飼料の給与割合がウシ第一胃内揮発性脂肪酸の産生に及ぼす影響
和泉 康史
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1979 年 50 巻 7 号 p. 443-452

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抄録

第一胃フィステルを装着したホルスタイン種の成雌牛4頭を供試し,乾草,牧草サイレージおよびとうもろこしサイレージの各粗飼料と濃厚飼料の給与割合(100:0,75:25,50:50,25:75)が,第一胃内揮発性脂肪酸(VFA)の産生ならびに第一胃内性状に及ぼす影響の相違について比較検討した.その結果次のような知見を得た.1) 第一胃内pHは,粗飼料が乾草の場合,濃厚飼料の給与割合の増加に伴い直線的な低下を示した.2) 第一胃内アンモニア態室素濃度は,乾草の場合,濃厚飼料の増加により直線的な上昇を示したが,牧草サイレージの場合では,逆に減少を示した.3) 第一胃内VFA濃度は,両サイレージの場合,濃厚飼料の増加に反比例して減少した.4) 第一胃内各VFAの割合では,乾草の場合,濃厚飼料の増加とともに酢酸は減少し,酪酸およびイソバレリアン酸が増加した.一方,とうもろこしサイレージの場合,その増加とともに酪酸は減少を示したが,牧草サイレージの場合には,各VFAと濃厚飼料の給与割合との間に,特に一定の関係は認められなかった.

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