雄ヤギ1頭と泌乳雌ヤギ2頭を用いて,12日間の絶食実験を行なった.この間およびその前後の血漿中の総脂質と脂質各画分濃度と,トリグリセリドおよびNEFAの脂肪酸組成を測定し,それらに対する絶食の影響について検討した.その結果は以下の通りである.1) 絶食によって,血漿総脂質は増加する傾向を示した.その脂質画分中,コレステロールエステル,コレステロールおよびNEFAは増加し,トリグリセリドは減少する傾向を示した.2) 絶食によって,血漿トリグリセリドの脂肪酸組成のうち,ステアリン酸と短鎖の飽和脂肪酸が減少し,パルミチン酸とオレイン酸が増加した.3) 絶食によって,血漿NEFAはその組成のうちステアリン酸とオレイン酸が増加し,パルミチン酸と短鎖の飽和脂肪酸が減少した.