日本畜産学会報
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絶食させた鶏の間脳視床下部における細胞形態および酵素活性の変化
園田 立信仁木 隆博
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1982 年 53 巻 10 号 p. 664-671

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抄録
鶏の視床下部における飼料摂取調節部位を明らかにすることを目的として,視床下部後部の各神経核の細胞の形態とAChE, MAO, Alk. P-aseおよびAcid P-aseの4酵素の分布を明らかにするとともに,絶食させた鶏でのそれらの変化について追究した.(1) 正常鶏の視床下部各神経核における細胞の形態および各酵素活性は,補乳類での相当部位でのそれらとほぼ一致した.(2) AChEおよびAcidP-ase活性はともに神経細胞体で高かった.両酵素は正常鶏の各神経核で同じような分布を示しただけでなく,絶食させた鶏での変化も似ていた.一方,MAOおよびAlk. P-ase活性はともに神経細胞体の周辺の組織で認められた.両酵素の各神経核での分布は,正常鶏では一致していたが,.絶食させた鶏ではAlk. P-ase活性が高くなった場合でもMAO活性の変化は認められなかった.(3) 3日間絶食の鶏のLHTにおいては大型の細胞がさらに大きくなり,機能が亢進したことを示した.また,この場合のAChEおよびAcid P-ase活性は低下していた.一方,3日間絶食の鶏のIHにおいては,中型細胞における両酵素活性が高まっており,LHTの場合とは逆の結果であった.(4) 7日間絶食の鶏の各神経核における細胞は萎縮傾向を示し,また,AChE, Acid P-aseおよびAlk. P-ase活性は高く多なっていた.これらの変化は特にLHTの大型細胞およびIHの中型細胞で著しかった.以上の結果より,鶏においては,LHTの大型細胞とIHの中型細胞とが飼料摂取調節に関係するものと考えられた.また,これらの部位のアセチルコリンは飼料摂取抑制機構に関与していると推測された.
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