日本畜産学会報
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馬の血清transferrin蛋白量と血清鉄値との関係
横浜 道成茂木 一重細田 達雄
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1982 年 53 巻 11 号 p. 766-773

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抄録
馬の血清transferrin (Tf)蛋白量の生理学的役割について考察するため,品種,Tf型および年齢の各要因から見たTf蛋白量と血清鉄値との関連性について調べた.1. 15種類のTf型のうち,易動度の早いD,FおよびHバンドから成るDF型,DH型,FF型およびFH型の血清鉄値は81~86μg/dlの間にあり,また,主に易動度の遅いRパンドを合むDR型,FR型,OR型およびRR型並びにDO型の血清鉄値は57~69μg/dlの間にあり,この両群間には有意の差が認められた(P<0.001).2. Silent geneをもつTf型の個体の平均血清鉄値(57μg/dl)は通常のTf型の個体の平均値(75μg/dl)よりも明らかに低い値であったが,その変動幅は通常のTf型の個体の変動幅の範囲内であった,3. Tf蛋白量を6段階に分けて(図1),その血清鉄値の差を分散分析した結果,有意な差が認められた(P<0.001).また,Tf蛋白量の高い個体は血清鉄値も高い値を示した.しかし,Tf蛋白量が少ない個体はTfに対する血清鉄の比率が高くなる傾向を示した.4. 血清鉄値の年齢的変動はTf蛋白量の変動推移と平行しており,また,各年齢において,silent geneをもつTf型は通常のTf型に比べ血清鉄値が14~35μg/dl少なく,明白な差が認められた,以上の如く,Tf蛋白量が高い個体は血清鉄値も高い傾向を認めたが,これの鉄代謝にもつ意義は不明である.
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