給餌刺激が産卵鶏の摂食行動に及ぼす影響を明らかにするため, 不断給餌 (NN), 不断給餌後強制給餌 (NF), 24時間絶食 (DN), 24時間絶食後強制給餌 (DF) の4条件の後, ペレットを自由採食させて摂食行動を観察した. 強制給餌は, 粉砕飼料40gを水60mlに混合撹拌し, 25cmのビニルチューブを付けた60mlシリンジを用いて嘘嚢に直接注入した. 自由採食開始後30分間における採食量は, NNが4.2gに対してDNでは39.8g, DFで22.1g, またNFではゼロで, それぞれの間に有意差が認められた. その間にみられたついばみのうち, 実際に採食した真の採食の割合はNNが88%, DNが16%, DFが42%であったが, NFではこの間は全く真の採食が見られず, 全て遊びであった. 以上から, 給餌刺激は, いずれの状況においても摂食行動を喚起させたが, 空腹, および採食の動機付けの程度の差により, 真の採食と遊びの採食の割合が異なることが明らかになった.