日本畜産学会報
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9週齢における突然の離乳が子牛の尿中プリン誘導体排泄量に及ぼす影響
鍵山 謙介舟場 正幸入来 常徳阿部 又信
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1994 年 65 巻 11 号 p. 1064-1068

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抄録

9週齢における突然の離乳が子牛の尿中プリン誘導体(PD)排泄量に及ぼす影響を検討した.4頭の子牛に代用乳を8週間給与したが,その間,固形飼料は与えなかった.離乳後は,市販濃厚飼料と稲ワラを不断給餌した.尿中PDと飼料摂取量は離乳前4日より離乳後14日目まで毎日,窒素(N)出納は離乳前(0週)および離乳後1週目と2週目に測定した.離乳直後より可消化有機物(DOM)およびOM摂取量は経日的な増加を示したが,それでも離乳1週目のDOM摂取量は著しく低く,N出納も負となった.離乳後7日間の尿中PD排泄量は,ほぼ一定であったが,8日目以降は,OM摂取量と共に経日的な増加を示した.離乳1週目の尿中PD:DOM比は2週目のそれよりも著しく高く,これは,微生物態蛋白質合成量の増加によるのではなく,内因性PD排泄量が成反芻家畜と比較して多いことも一因と考えられた.以上の結果,ルーメンが未発達な子牛では,週齢によらず尿中PD排泄量は微生物態蛋白質合成量の指標として適当でないことが示唆された.

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