日本畜産学会報
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赤池のベイズ型情報量規準を用いた肉用牛種畜評価におけるアニマルモデルの利用方法の検討
和田 康彦吉臭 努池内 豊山本 幸造柏木 宣久小畑 太郎
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1994 年 65 巻 12 号 p. 1127-1133

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抄録
赤池のベイズ型情報量規準(ABIC)を用いて,肉用牛の種畜評価におけるサイアモデル,MGSモデルおよびアニマルモデルのデータへの当てはまり具合を検討した.材料としてはS県で収集された宏勢牛947頭のフィールドデータを用い,3種類の評価モデルについて母数効果の組合せを9通りに変えた計27種のモヂルについてABICを算出した.サイアモデルでは種雄牛88頭を,MGSモデルにおいては父牛および母方祖父牛128頭を,アニマルモデルにおいては雄179頭,雌937頭,去勢牛974頭を評価した.その結果,日齢枝肉重量と枝肉単価については一番当てはまりがよいモデルは母数効果に肥育県•屠場のみを取り上げたアニマルモデルであった.他の形質ではアニマルモデルは当てはまりが劣る傾向が見られ,特に母数効果を3つ含むモデルにこおいては,その傾向が著しかった.また,全般的にこアニマルモデルにおいては取り込む母数効果の組合せによってABICの値が大きく変動する傾向が見られた.以上の結果より,血統情報が限定されたフィールドデータに対してアニマルモデルによる種畜評価を実施する場合にはモデルに取り込む要因についてABICなどを用いて検討する必要があることが示唆された.
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