日本畜産学会報
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乳牛における分娩直後の乳タンパク質率と繁殖成績との関係
加藤 寿次後藤 正雄佐藤 博
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1996 年 67 巻 6 号 p. 579-582

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抄録

分娩後の卵巣機能の回復はエネルギー摂取が不足するほど悪く,エネルギー栄養状態は乳タンパク質率と正の関係にあることが知られている.そこで本研究では,分娩直後(16-45日)の乳タンパク質率と繁殖成績との関係について検討した.その結果,分娩直後の乳タンパク質率が低い(とくに2.9%以下)牛では受胎までの日数が長く,授精回数が多かった.また,各牛の全乳期平均にくらべて分娩直後に乳タンパク質率の低下が大きい牛ほど受胎成績が悪かった.分娩直後に乳タンパク質率の低下が大きいような栄養条件では卵巣機能回復が遅延し,繁殖成績を悪化させると考えられた.

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