本研究では、比較的賦存量が多いと考えられている厨芥や下水汚泥といった都市湿系バイオマス、人びとの住まい方による影響が大きいと考えられる建設発生木材を対象として、都市湿系バイオマスについてはバイオガス生産、建設発生木材についてはバイオ燃料化を技術オプションとした場合の超長期的な供給ポテンシャルを日本の社会の将来像を表す2つのシナリオの下に推定した。さらに、これらの利用による温室効果ガス排出削減効果を推定した。その結果、2050年において、都市湿系バイオマスからのバイオガス生産については年間約1.8百万t、建設発生木材からのバイオエタノール製造については約5.0百万t程度の二酸化炭素排出削減がポテンシャルとして示された。それぞれのポテンシャルの算出において多くの仮定を用いているため、結果の解釈には十分な注意が必要であるが、異なる2つの社会像の下でのこれらのバイオマス利用ポテンシャルには大きな差はないことが示された。今後、さまざまなバイオマス資源について、さまざまな技術オプションを利用した場合の将来にわたる利用可能量とその効果や環境影響を推定していくことにより、ある地域においてどのバイオマスをどのように利用していくかについて、戦略的に検討するための材料を提供しうるものと考えている。