地球環境
Online ISSN : 2758-3783
Print ISSN : 1342-226X
リン循環に関わる生物の機能に迫る分子生物学的手法
和崎 淳丸山 隼人
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 20 巻 1 号 p. 97-102

詳細
抄録

リン循環には生物によるさまざまなプロセスが関与する。このプロセスに関わる環境微生物の多くは培養困難であり、その理解を妨げている。微生物のリン循環における役割を明らかにするためには、未培養のままでも解析を可能とする分子生物学的手法が有用である。これまでに、リボソームRNAや機能遺伝子などの塩基配列の違いを利用した各種の分子生物学的手法が発達しており、環境微生物を群集レベルあるいは細胞レベルで解析するうえで力を発揮している。また、近年は次世代シークエンサーなどを活用した網羅的解析手法が強力なツールとして使われている。本稿では、環境中のリン循環を理解するうえで有用なこれらの分子生物学的手法について概説するとともに、主に土壌環境を例にとってこれまでの実例を紹介する。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人国際環境研究協会
前の記事 次の記事
feedback
Top