2015 年 20 巻 2 号 p. 127-134
1990年に国際共同研究プログラムであるIGBPは、地球環境変動に関する科学的な基盤を確立することを目標に開始された。地球システムに関するさまざまな相互関連について、人間活動によって引き起こされた変化も理解することを含め、世界各国が共同して、科学的な知識を集積し地球環境変動の予測と適応を目指して研究を進めた。その後、分野横断的な地球システムの統合研究体制を整えるフェーズへ移行し、共同研究の実施主体であるコアプロジェクトが見直され、現在、8つのコアプロジェクトとして取り組まれている。2010年には国際科学会議などの勧告を受け、社会科学や政策立案など社会への貢献を考慮した方向で検討が始まった。その結果、IGBPは2015年12月を以って25年間の活動を終了し、新たに立ち上がったFuture Earthに向けて各コアプロジェクトはそれぞれに取り組むことになった。