火山噴出物は大気圏に放出された後、大気圏内で重いものほど火口近くに落下し、軽いものほど遠くまでとばされる。その過程で雨滴によって洗われ、火山灰が多くなる。成層圏に達した墳煙柱の上部ではエーロゾルが卓越する。エーロゾルの増加によって、さまざまな光化学変化、オゾンの減少、日射による過熱量の変化が発生する。成層圏におけるエーロゾルの増加は地表面の気温を低下させる。大爆発の場合、その効果は1~3年に及ぶ。クラカトア火山の1883年8月27日の場合、噴煙高度は40km以上、硫酸塩エーロゾルの量は5×1010kgに達した。このような大気過程について、これまでの研究結果をまとめた。最後に人間活動におよぼす影響について、農林業などの生産活動、人間の生理・衛生、心理・精神・思考過程などの問題点を、特に歴史的な観点からまとめた。一例として日本の豪雪地域に伝わる民話「雪女」における「赤い雪」と火山灰などとの関連を述べた。