2020 年 25 巻 1-2 号 p. 15-21
琵琶湖岸を歩くとプラスチックごみを見かけることが多い。これらのプラスチックごみは,どこから来て,どこに行くのかは,あまり知られていない。著者らは,さまざまな試料に対するマイクロプラスチックの分析方法の開発を進めており,その手順 を用いて,湖沼,海域,河川などの水環境調査や上下水処理場における挙動調査,魚貝類中の蓄積状況調査,化粧品やスクラブ剤などの製品中の含有容量調査など,発生源,排出源から生物への蓄積までの研究を展開してきた。本稿では,琵琶湖および琵琶湖流域におけるマイクロプラスチックの挙動を中心に報告し,その結果を他の環境と比較し考察を行った。