抄録
劇症型A群溶連菌感染症の1剖検例を経験した. 初期症状発症から1週間, 当院初診から6時間でショック状態に陥り, 診断確定時には死亡していた. 診断確定後の治療は困難であり, 早期診断・早期治療が望まれるが, 剖検所見からも早期診断の手掛かりとなる所見が得られなかった. 劇症型A群溶連菌感染症の初期症状として蜂窩織炎様軟部組織炎が存在することから, 文献上報告された劇症型A群溶連菌感染症43例と当科で経験した蜂窩織炎28例を比較検討し, 水疱形成の存在と, 膿瘍形成の否定が有効な手掛かりであると結論し, 劇症型A群溶連菌感染症予備群として, ペニシリンG大量投与を考慮すべきであると考えた. 実際にこのような症例は過去2年間で1例しか存在しなかったが, ペニシリンG大量投与などで良好に経過した.