2009 年 52 巻 5 号 p. 1067-1069
【目的】肩鎖関節脱臼および鎖骨遠位端骨折に対し, 早期の可動域訓練を行うためClavicle hook plateとFiber wire固定を併用した術式を施してきたので, 術後成績につき検討する. 【対象】2005年5月から本術式を施した肩鎖関節脱臼11例鎖骨遠位端骨折4例の15例を対象とした. 【術式および後療法】Clavicle hook plate最近位のscrew holeを5号Fiber wire 2本で締結し, 術後早期に積極的な可動域訓練を開始する. 【結果】最終平均肩関節可動域は屈曲163°, 外転164°で全例が受傷前の生活に復していた. 【考察】本プレートは合併症予防のため可動域訓練を遅らせる必要があるとされているが, Fiber wire固定の併用により引き抜き強度が増し, 早期からの可動域訓練が可能になったものと考えた. 速やかな後療法により社会復帰も早く, 非常に有用な方法であると考えられた.