中部森林研究
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大台ヶ原東部における森林衰退:空中写真による局所的な森林面積の変動
田中 紅羽板谷 明美木佐貫 博光
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2024 年 72 巻 p. 30-33

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抄録
森林衰退が進行している大台ヶ原東部では,空中写真を用いて広域的なササ草原の面積拡大が報告されたが,局所的な森林における森林面積の変動およびその要因については解明されていない。本研究では,1976年から2019年までの空中写真を使用し,大台ヶ原東部における森林面積の変動を調査した。その結果,正木峠付近のように大幅に森林面積が減少した森林があるのに対し,森林面積が増加した森林が少なからず存在することが明らかとなった。この森林面積の増加は,大台ヶ原東部の森林が約100年前の伐採後に成立した天然生二次林であるため,動的平衡状態に達しておらず,生残木の樹冠成長による結果であることを示唆する。
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© 2024 中部森林学会
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