抄録
単木保護資材の素材が生分解性プラスチック・非生分解性のポリエチレン,また形状が筒状・布状・網状の各種資材をカラマツ植栽木に設置し,初期成長を比較した。その結果,素材間では樹高,地際直径,形状比に差がなかった。一方,資材形状間では網状では健全率が高かったが,筒状と布状ではカラマツの枯損や資材による生育阻害が見られた。また,生分解性プラの筒状は設置2年後から破損が進むとともにカラマツ植栽木が露出し,カラマツ初期成長期の食害を防ぐことは困難と考えられた。このことからカラマツの初期成長に与える影響が小さい形状は網状であり,資材の回収が困難な造林地では生分解性プラスチックの網状資材が良いと考えられた。