抄録
白坂小流域固定試験地(以下,小流域)について伝わってきた植栽履歴と発見された古い林相図の内容不一致を解明するため,小流域とその東側に隣接する林地(以下,東側林地)において毎木調査と年輪解析を実施した。その結果から1917~1918年にヒノキを植栽したのは東側林地のみであると判断した。両林地は江戸時代に藩有林で,小流域が「御林」,東側林地が「平山」であったため,それぞれでの山林管理および利用形態が違っていた。そのことにより1917年時に小流域では森林がある程度回復していたのに対し,東側林地では人為による森林荒廃が進んでいたためヒノキを植栽して森林を回復する必要があったと考えられた。