2017 年 3 巻 1 号 p. 48-53
慢性硬膜下血腫術後五苓散投与による再発予防効果に関して,穿頭術279例,384側を非投与群302側,術後10日以内に投与開始した早期投与群51側,術後11日以降56日以内に投与開始した晩期投与群31側に分け,臨床的特徴と再発率を検討した。五苓散は術後再発リスクが高い症例に投与されていた。再発は非投与群34側(11.3%),早期投与群10側(19.6%),晩期投与群1側(3.2%)に認め,晩期投与群で少ない傾向にあった。術後早期に再発リスクが高くないと判断できた場合は五苓散投与による再発予防が期待できる可能性が示唆された。