2023 年 48 巻 2 号 p. 16-18
中性子小角散乱(SANS)は、時々刻々と変化する泡沫の構造を調べるのに有効な手法である。近年、筆者は、SANSを中心にさまざまな測定方法を組み合わせることで、界面活性剤が形成する泡沫の膜厚や水量など、泡膜内部の情報を一度に定量的に得ることに成功した。本稿では、SANSを用いた単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムによって安定化された泡沫のミクロ構造評価とこれらの構造に及ぼすポリオキシエチレン(EO)鎖長、硫酸エステル基およびEO鎖の有無の影響について紹介する。