2023 年 48 巻 2 号 p. 19-22
液晶の分子配向は界面に大きく支配され、その性質を利用した様々な機能性材料が開発されている。その最たる例が液晶ディスプレイであろう。しかしながら、社会実装されてなお、界面での分子挙動を理解するための研究が展開されており、ごく最近も新たな知見が得られている。我々は今回、液晶セル内部のX線散乱測定および偏光顕微鏡観察により、低分子液晶と接触する液晶性光配向膜のその場観察を行った。その結果、低分子液晶との接触によって液晶性光配向膜の内部で高次ハイブリッド液晶相が誘起されることを見いだした。