有機分子や生体高分子に対する分子シミュレーションにおいて、分子力場の精度がその計算の信頼性を大きく左右する。従来の分子力場における問題点の一つとして、計算初期に決められた電荷分布を計算途中で変更しないため、構造変化に伴う静電的な誘起効果を取り入れることが出来ないという点が以前から指摘されてきた。そこで我々は、高精度分子力場MMFF94sの静電相互作用項に、新規電荷平衡法(NQEq)を取り入れた新しい分子力場ポテンシャル(MMFF/NQEq)を開発している。本研究では、アルコール、エーテル、および糖に対するMMFF/NQEqパラメータの最適化と検証を行った。