抄録
Beckmann転位はオキシムよりアミド及びラクタム化合物を合成する転位反応である。その合成には、発煙硫酸のような強酸が必要であり、それに伴い副生成物の大量に生成する。これはBeckmann転位が、強酸・高温条件下で進行するためである。そうしたなか、我々は塩化シアヌルを用いた研究に注目した。この場合、既存より温和な条件下でBeckmann転位が進行する。しかしながら、塩化シアヌルを用いた詳細な機構は明らかになっていない。そこで本研究は塩化シアヌルを触媒として、シクロヘキサノンオキシム(炭素数6)とシクロドデカノンオキシム(炭素数12)のBeckmann転位について反応機構の検討を行った。その結果HClの分子数が、反応の活性化エネルギーに大きく影響していることがわかった。