主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会, 教育システム情報学会 (協賛)
p. O14
実験と理論計算を併用し、自然界におけるエステルの加水分解性を予測可能とするシステムの構築を試みた。具体的にはエステルの酸、塩基それぞれの条件で加水分解速度の測定実験と理論計算により得られる活性化自由エネルギーの相関を求め、実験を伴わない低コスト、短時間での分解性評価を可能とすることを目的とした。その結果、酸性条件においては比較的良好な相関(R2=0.87)が得られた。一方、塩基性条件においては弱い相関(R2=0.67)となった。溶媒効果の影響を受けやすいと考えられる物質に関しては大きい標準残差となったことから、今後は溶媒効果を考慮した計算値による相関を検討し、より高精度な相関式を求めることによって加水分解評価プロセスの構築を目指す。