抄録
DyF分子について,3.0 eV以下の励起状態の電子状態を明らかにした.Dy(4f), (6s),(6p)スピノルをactiveとした参照空間から1・2電子励起を許して,4成分相対論CIを行った.約1億次元のCIをマルチコアプロセッサ用に並列化したKRCIプ ログラムで実行した.基底状態の主配置を(4f)9(6s)2,その上の4個の励起状態の主配置を(4f)10(6s)1と帰属した.2.5 eV付近の[19.3],[20.3]状(2.39 eV,2.52 eV)の主配置をMcCarthyら分光学と配位子場理論計算から(4f)9(6s)1(6p)1 とみなしているが,我々はReが3.88 auと大きいことなどから,(4f)10(6p)1と帰属した.