抄録
分子間の相互作用の特徴を 反映する分子形状を電子状態計算によって定義する手法を提案し、簡単な分子について実際に形状を評価した。この方法では、あるイオンをプローブとして、ターゲット分子の形状を両者のポテンシャルエネルギー面の等値面として求める。水分子に対して応用したところ、分子間相互作用(水素結合)で重要な酸素のlone pairの三次元的特徴を反映する立 体図形が得られた。この図形を用いることによって、結合角の異なる水分子の類似性を定量的に評価することができた。また、グルコースと類 似の生体機能を有すると思われるプシコースに注目し、両者の類似性を定量的に評価する試みも行った。