主催: 日本化学会ケモインフォマティクス部会
会議名: ケモインフォマティクス討論会
回次: 41
開催地: 熊本
開催日: 2018/10/26 - 2018/10/27
p. 2C03-
可視光領域付近での吸光を示す分子では電子励起を引き起こしていることから、その電子状態についての解析が新規誘導体の開発へと繋がると考えられる。今回対象とした化合物は青や近赤外領域の多様な吸収波長を持つ含窒素多環芳香族化合物であり、この化合物の構造と吸収波長の関係について量子化学計算を用いた調査を行った。結果としてすべての構造において同様の電子励起することが確認された。さらに実験値と計算値を比較したところ励起エネルギーを過大評価する分子群と実測値と近い評価を示す分子群に分かれた。しかし、その中ではほぼ全ての置換基の違いを良好に反映した予測結果が得られた。立体構造の差が小さい構造間では量子化学計算による新規構造の探索を行うには十分と考えられ、今後さらなる構造の発見が期待できる。