抄録
Activity cliff (AC)とは類似した化合物であっても薬理活性が大きく異なる現象である。ACを予測することは創薬分野におけるリード化合物探索の効率化へつながる。既存手法ではAC予測をリガンドベースで行ったものがあるが、主骨格と置換基の結合点の位置が異なる構造同士の類似度が過大評価されているため、訓練データに同一の主骨格を有する構造がない場合予測精度が著しく低下するといった問題が挙げられる。本研究では、結合点の位置情報を考慮したAC予測スキームを提案した。提案したスキームを用いて、訓練データに存在しない主骨格を有する化合物におけるAC予測精度を検証した。いくつかの標的マクロ分子に対して提案手法を適用した結果、既存の予測スキームに比べ精度が向上することを確認した。