中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 2-E-O-22
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O-35 下肢1
MIPO法による大腿骨顆部骨折の治療経験
小川 健一土井 武宗友 和生駒井 康孝高田 逸郎
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抄録
【はじめに】我々は骨幹端部に粉砕のある大腿骨顆部骨折に対してminimally invasive plate osteosynthesis(以下MIPO法)により加療し,良好な成績を得たので報告する.
【対象・方法】対象は7例(男性4例,女性3例)で,受傷時年齢は17_から_87歳(平均50.3歳),受傷側は右4例,左3例であった.受傷機転は交通事故4例,転落1例,転倒2例であった.開放骨折は3例で全てGustilo IIであった.骨折型はA3:2例,C2:1例,C3:4例であった.整復方法,骨癒合までの時期および状況,変形・転位の有無などについて検討した.
【結果】開放骨折は二期的にMIPO法を行った.関節面は直視下に整復内固定を行い,骨幹端部はindirect reductionを行った.骨癒合は全例に認め,平均10.9週間であった.角状・回旋変形,臨床上問題となる脚短縮は認めなかった.
【考察】当科におけるMIPO法の適応はA3,C2,C3型骨折の骨幹端の粉砕例で,髄内釘での遠位骨片の固定が不十分と予想される症例である.本法は骨幹端骨折部の粉砕骨片を展開することなく固定することができるためbiological fixationとして骨癒合に有利である.その反面,角状,回旋,内外反変形といった三次元的変形を来しやすいため熟練を要する事が欠点である.術後は直ちに可動域訓練を開始しているが,荷重はbridging plateであるため,内固定後のbony contactの状態を見て判断するようにしている.本法は大腿骨遠位骨幹端粉砕骨折の治療戦略の一つとなると考えられた.
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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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