2018 年 107 巻 8 号 p. 1501-1506
Pompe病,全身性原発性カルニチン欠損症(systemic primary carnitine deficiency:SPCD),多重アシル酸脱水素酵素欠損症(multiple acyl-CoA dehydrogenase deficiency:MADD),GNEミオパチーについて概説する.前3者は治療法のある代謝性筋疾患である.GNEミオパチーに対しては,現在,シアル酸補充療法の臨床試験が行われている.これらの疾患の頻度は必ずしも高くないが,たとえ稀であっても,治療可能な疾患を見逃してはならないことは言うまでもない.特にPompe病では,治療開始時期が予後を大きく決定付ける因子であることから,早期診断が重要である.