中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 1-D-O-27
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O-10 胸椎
胸椎椎間板ヘルニアの前方進入法と後方進入法手術の治療経験
村田 浩一池永 稔鹿江 寛清水 真田中 千晶
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抄録
【緒言】胸椎椎間板ヘルニアは比較的稀な疾患であり、いったん発症すると保存的療法が無効で手術が必要となる場合が多い。過去には前方進入法が選択される傾向があったが、近年後方進入法の有用性が再評価されている。今回当科において1990年より手術的治療を施行した胸椎椎間板ヘルニアの10症例について検討した。
【対象と方法】1990年から2005年までに当科で胸椎椎間板ヘルニアとの診断の下、手術的治療を施行した症例10例から前方進入、後日後方進入により手術を1例と、胸腔鏡下に胸椎前方固定術を施行した1例を除いた、8人8例対象とした。年齢は34から66歳(平均54.6歳)、罹病期間は2ヶ月から15年(平均3.2年)術後経過観察期間は1カ月から12年(平均3.7年)であった。前方進入法(A群)5例、後方進入法(P群)3例にわけ術前術後のJOAスコア及び改善率、術後座位、歩行器歩行可能時期の各項目について検討した。
【結果】手術時間と出血量の平均はA群189分、774ml、P群168分、270mlでJOA改善率はA群30.0%, P群32.5%であった。術後座位、歩行器歩行可能な時期は平均A群で17.2日・37日、P群9日・20日であった。また黄色靱帯骨化症を併発例が3例、また4例は他に脊椎手術を受けた既往があったが、JOAスコアの改善率に有意な差を認めなかった。
【結論】後方進入法は前方進入法に比べ患者への負担が少なく、事前に充分な画像評価を行えば有用な術式である可能性が示唆された。
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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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