2016 年 8 巻 2 号 p. 23-30
オイルビジネスや油田(ガス田)投資というと、日本では大手総合商社や経産省による巨大プロジェクトがイメージされがちである。しかし地下資源の所有権が個人に帰属しているアメリカでは、油田の権益は実に種多様な形で取引されており、小さなディールでは10万ドルを下回るものも珍しくない。 今回の研究会では、日本ではあまり知られていないアメリカにおける中小油田投資に注目し、そのビジネスの実態を概説する。前半では基礎知識として油田権益の種類、取得方法、幾つかのディール形態を紹介し、キャッシュフローのモデルを説明する。 後半は今後日本から油田投資を検討する投資家の為に、デューデリジェンスのポイント、リスク要因、税務について解説しつつ、現下の低油価環境における参入機会について議論していく。