理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP282
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測定・評価
骨髄移植患者の機能低下に関する検討
筋力・柔軟性について
*上迫 道代八並 光信小宮山 一樹正門 由久里宇 明元千野 直一森 毅彦近藤 咲子渡邊 進
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キーワード: 骨髄移植, 筋力, 柔軟性
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抄録
[目的]骨髄移植に関する移植治療技術やQOLに関しては,多くの報告がなされている.しかし,移植前後の筋力や柔軟性に関する報告は,非常に少ない. 我々は,移植前後で機能的評価が得られた骨髄移植患者を対象に,筋力や柔軟性に関する変化を測定したので報告する.[方法]1.対象 対象は,2002年4月から8月に骨髄移植治療を受けた,平均年齢33.9±13.9歳の患者10名(男性7名・女性3名)である.2.方法 骨髄移植患者は,移植日の約1か月前に入院して,移植前に機能的評価と無菌室内における自主訓練の指導を受ける.機能的評価は,(1)ストレングスエルゴメターを用いた下肢筋力評価(2)握力(3)高さ15cm・25cm・35cmの台からの立ち上がり動作(4)10m歩行スピード(5)立位体前屈である。移植後は,センター訓練開始と同時に,移植前評価と同様の評価を行う.なお,患者は,無菌室内で理学療法士の個別訓練と自主訓練としてストレッチングや筋力強化を毎日行う。[結果]1.下肢筋力について 移植前の体重比(平均値)が,左:1.8N・m/kg,右:1.9N・m/kgであったが,移植後は左:1.3N・m/kg,右:1.4N・m/kgと減少した.全仕事量(平均値)も左:991.1cal,右:1055.9calであったが,移植後は左:672.9cal,右:709.0calと低下した.2.握力について移植前後の握力比は,右:0.8,左:0.7と低下していた.3.立ち上がり動作について 移植前は全症例が,全ての高さから立ち上がることができた.移植後2名が立ち上がり困難となった.残りの8名はすべての高さの台から立ち上がることができた.4.10m歩行スピードについて 移植前後の比は,0.93と軽度の低下であった.5.立位体前屈について 移植前に床に指先が届かなかった者4名が,移植後7名と増加した.移植後に柔軟性が改善した者が3名であった.[考察] 移植後の筋力低下・柔軟性の低下は,筋力強化訓練や柔軟体操をしているにもかかわらず顕著であった.歩行スピードや立ち上がり動作への影響は比較的軽微であった.これらは移植後の吐き気・痛み・貧血等により、1日に占めるベッドレストの時間が長いためであると考えられた.
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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