理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: TP607
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健康増進
音楽に合わせた運動プロトコル
プロトコルの紹介と健常者について
*名波 美代子小林 準成澤 一枝青木 律子吉田 綾子橋爪 七七代赤星 和人永田 雅章勝川 史憲山崎 元
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抄録
<はじめに>音楽に合わせた有酸素運動としては、エアロビクスなどが知られている。今回、我々は、肥満や糖尿病患者が比較的簡単に自主トレーニングとして行える、運動プロトコルとして、基本的な6パターンとリズムダンスを提案し、健常者に関して検討したので、ここに報告する。<対象と方法>対象は健常な女性10名。年齢は56.2±6.6歳、体重は53.7±7.3Kg、身長は152.9±3.2cmであった。測定には、コスメデ社製「テレメトリー式呼吸代謝計測装置k4システム」を用いて、分時酸素摂取量(VO2)、炭酸ガス排出量(VCO2)、呼吸商(RQ)、脂質代謝量(FAT)および心拍数(HR)を計測した。測定方法は、3から4分間のオルゴールによる安静時間と3から4分間程の132拍/分のヒット曲を、交互に録音したテープを作成し、これに合わせて以下に示す6種類の体操と、リズムダンスを行った。まずは、座位にて(1)膝の交互伸展、(2)手を組んで体幹の回旋、(3)手を組んで体幹の前後屈、長座位にて(4)交互に臀部挙上と体幹前屈、(5)交互にSLRと膝屈曲、立位にて(6)後頭部で手を組んで体幹側屈、(7)基本ステップで踊るリズムダンス、の順で施行した。データの検討には一元配置分散分析を用い、有意水準を5%とした。<結果> 1) 酸素摂取量は、10.4から19.2ml/min/kgの幅で、(1)から(7)において分散分析により有意差を認めた(p<0.05)。(4)、(6)、(7)が比較的高い値となった。 2) 脂質代謝量は、0.04から2.29kcal/minの幅で、(1)から(7)において分散分析により有意差を認めた(p<0.05)。(4)、(6)、(7)がVO2と同様に比較的高値となり((6)>(7)>(4)),(5)は極端に低い傾向となった。3) (1)から(7)全てを実施する際、所要時間は安静時間を含め45分程度であり、総消費エネルギーは81.7から109.0kcalであった。<考察>今回の結果から、酸素摂取量に関しては、体幹の動きを伴う体操および全身運動であるリズムダンスにおいて、高い値となる傾向を示した。これは、運動に動員される筋肉量の差によるものと考えられた。一方、脂質代謝量に関しては、長座位での(5)の体操については、筋骨格系の反応が比較的強く見られ低い値となったものの、姿勢別では、立位や長座位で高い値を示す傾向となった。特に、立位での全身運動および立位で体幹の動きを伴う体操では脂質代謝量が大きくなると言える。また、同じ長座位でも、下肢の動きが主となる体操に比して、体幹の動きが大きい体操の方がその値は大きい結果となっている。今回示した運動プロトコルを全て行うと、40Wの自転車エルゴメータ漕ぎ 40から50分間の消費エネルギーに相当する。比較的短時間でかなりのエネルギー消費が得られると考えられる。このような点を鑑みても我々の運動プロトコルの有用性が示唆される。今後さらなる検討を、健常者群および患者群において進め、その有用性について検証して行きたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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