理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 246
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理学療法基礎系
義足歩行時の健側下肢の機能
歩行練習プログラムの違いによる筋活動パターンの解析
*吉村 洋輔, 伊勢 眞樹, 植田 幸一, 森本 正治
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抄録
【はじめに】理学療法の領域に限らず下肢切断者の歩行時の床反力、体幹や患側下肢の筋活動についての報告は多くなされているが、健側下肢筋活動についての報告は少ない。Mark Latash(1996)らの正常運動や異常運動に関する考え方を重視し、我々は第38回日本理学療法学術大会(長野)にて、練習の違いによる義足歩行時の健側下肢筋活動パターンについて報告したが、その後、対象者数を増やし、さらに床反力等の解析から若干の知見を得たので報告する。
【対象】対象は一側大腿切断者男性3名(33.0歳、67.5kg、断端長24.3cm)であり、模擬義足を装着した基礎的歩行練習群は健常男性3名(20.6歳、71.7kg)、応用歩行練習群も健常男性3名(24.3歳、69.7kg)である。なお本研究の対象者には事前に実験の趣旨を十分に説明したうえで、実験への協力に同意を得た。
【方法】筋活動電位の計測は表面筋電計NORAXON社製Myo Researchを使用し、通常歩行時の健側中殿筋、大腿直筋、外側広筋、大内転筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、腓腹筋より筋電波形の導出を行った。筋電波形の計測は100%MVCと2週間の練習前後の計3回行った。床反力の計測は練習前後の計2回行い、主に垂直成分ピーク値(%)とピーク時間(%)を比較した。練習は1日20分、週3回、2週間、以下のプログラムを施行した。1.基礎的歩行群は1)平行棒内でのバランス練習5分、2)平行棒内での歩行練習5分、3)松葉杖での歩行練習5分、4)平地な床の上の歩行練習5分である。2.応用歩行群では1)平行棒内でのバランス練習5分、2)階段昇降練習5分、3)坂道や段差を中心に屋外歩行練習10分である。2週間の練習後、両群とも筋電図を計測し、それを切断者のデータと比較し、2つの練習群が練習前後の歩行時に100%MVCに対してどの程度の筋出力であったか検討した。
【結果及び考察】表面筋電図の波形パターンから、切断者は模擬義足者に比べ、健側下肢の筋活動は小さく、周期的な波形パターンを認めた。基礎的歩行群、応用歩行群の2週間の練習前後の筋放電の比較では多くの筋で筋活動が切断者の値に類似し、特に応用歩行群では中殿筋が22.5%から37.7%に、大腿直筋が23.2%から12.0%に変化し、切断者のそれぞれ46.1%、10.6%に類似する値となった。床反力特性に関しても2週間の練習後には2峰性を認め応用歩行群の練習前ピーク値F1=5.0%が練習後には18.2%となり、切断者の25.0%に近づく傾向を認めた。以上の結果より応用歩行群の方が基礎的歩行群に比べ、より早期に義足への適応が進んだものと考える。
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© 2004 日本理学療法士協会
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