理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 448
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神経系理学療法
回復期脳卒中患者の端坐位能力と歩行予後
*金澤 郁恵, 八児 正次, 宇佐美 記子, 鈴木 寛之, 中澤 幹夫, 菅原 尚樹, 渡辺 基子, 山下 美世子, 長瀬 泰範, 古川 利紅, 永見 直明, 黒木 麻美, 青木 忍, 平塚 悠紀, 松永 篤彦
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キーワード: 脳卒中, 坐位, 歩行予後
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抄録
【はじめに】脳卒中急性期では坐位能力が重要な因子とされている。しかし、回復期に坐位能力から歩行の予測を行った報告は少ない。そこで、本研究では回復期初期の坐位に着目し、リハビリテーション介入後の歩行自立度との関連を検討した。
【対象】2002年1月から2003年9月に当院回復期病棟でリハビリテーションを実施し、退院可能となった脳卒中患者186名(男性124名、女性62名、平均年齢69±10歳)を対象とした。内訳は脳梗塞123名、脳出血59名、SAH4名で平均在院日数114±50日であった。なお、除外基準は運動麻痺を認めない症例、失調症例ならびに合併症や社会的理由による転科・転院例とした。
【方法】発症後2ヶ月時の臨床的背景因子(年齢、性別、診断名、下肢Brunnstrom stage、半側空間無視(USN)の有無、変形性関節症(OA)の有無)と坐位能力を調査した。さらに、坐位能力は臨床的視点から、1群:起き上がりを含め端坐位自立、2群:セッティングによる端坐位が5分以上監視にて可能、3群:端坐位保持に介助が必要、の3群に分類した。歩行能力はA:自立、B:監視、C:軽介助、D:中等度以上の介助の4段階評価とした。統計解析は臨床的背景因子と坐位能力を説明変数、歩行能力(介助が必要か否かの2値)を目的変数としてロジスティック回帰分析を行った。
【結果】坐位能力の内訳は、1群125例、2群31例、3群30例であった。歩行能力は、A104例、B25例、C24例、D33例で、各歩行能力における在宅復帰率はA100%、B96%、C54.2%、D45.5%であった。ロジスティック解析の結果、歩行能力に従属する有意な変数として、年齢(オッズ比OR=0.934、p<0.027)、USN(OR=5.136、p<0.003)、および坐位能力(OR=14.039、p<0.001)が認められた。坐位能力別に監視歩行以上に達した症例の比率を比較すると1群114例(91.2%)、2群15例(48.4%)および3群0例であった。
【考察】今回の回復期における調査で認められた歩行予後因子は年齢、USNおよび坐位能力であり、先行研究で報告されている急性期の結果と同様の結果が得られた。しかし、急性期坐位能力の指標の多くは坐位保持可能か否かであるため、回復期に用いる指標として適当とは言い難い。そこで、本研究では臨床的視点から坐位能力を独自の基準で3段階に分類した。また歩行自立度においても在宅復帰の重要な条件となる介助の有無に着目した。その結果、1群の9割以上は歩行時に介助を必要とせず、逆に3群のセッティングにおいても坐位保持できない症例は全員介助が必要となり、明確に歩行自立度を予測し得た。今後は2群の歩行自立度が約半数に分かれた要因ならびに坐位能力の経時的変化と歩行能力について検討する必要がある。
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© 2004 日本理学療法士協会
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