理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 46
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骨・関節系理学療法
膝前十字靱帯再建術後競技選手に対する呼気ガス分析指標を用いた持久的トレーニング処方
処方の有効性と膝関節機能からみたリスク評価
*吉田 昌平守田 武志舌 正史沼倉 たまき小出 裕美子中尾 聡志原 邦夫
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抄録
【目的】我々は、これまでに膝前十字靭帯(ACL)再建術後の競技者に対して持久力の早期回復を目的として、回復過程に呼気ガス分析指標を用いた持久的トレーニング処方を行ってきた。今回我々は、その有用性について処方の有効性と膝関節機能からみたリスク評価の両面から検討したので報告する。
【対象】半腱様筋腱4重折を用いたinside-out法によりACL再建術を施行した女性競技者26名(年齢:19.8歳、身長:165.7cm、体重:59.8kg、)。
【方法】1)処方の有効性の評価:全症例でACL再建術後8週よりジョギングを開始した。術後3ヵ月よりBorg Scale13の強度で30分程度のペース走を処方し、術後4ヵ月時には1km5分ペースを目標とし実施させた。26名のうち13名は処方群として、術後4ヵ月に呼気ガス分析を併用したトレッドミル漸増負荷試験を行い、換気性作業閾値(VT)や呼吸性補償閾値(RCT)などの客観指標に基づいた持久力の評価とトレーニング強度設定を行った。一方、残りの13名は非処方群として術後4ヵ月以降も同様に、主観的な強度設定によるペース走のみ実施させた。両群ともに競技復帰時期である術後6ヵ月に持久力の評価を行い比較検討した。処方群の持久的トレーニングの内容は、RCTを上限としたVT以上の走速度のペース走とRCT以上のレベルのインターバル・トレーニングである。2)処方のリスク評価:競技復帰時期である術後6ヵ月に膝関節機能評価として脛骨前方移動量、関節可動域、等速性膝関節屈曲・伸展筋力を測定し、それぞれを処方群と非処方群で比較検討した
【結果】競技復帰時における術後6ヵ月のVTは、処方群と非処方群の両群間で差はなかった(処方群:10.8km/h、非処方群:10.7km/h)が、RCTは非処方群と比較して処方群で有意に高い値を示した(処方群:13.5km/h、非処方群:12.9km/h、P<.01)。膝関節機能評価として、脛骨前方移動量は処方群で2.1mm、非処方群で2.5mmと両群間で有意な差はなかった。関節可動域は処方群、非処方群ともに良好な回復が得られた。等速性膝関節伸展筋力は処方群で3.0Nm/kg、非処方群で3.1Nm/kg、等速性膝関節屈曲筋力は処方群で1.4Nm/kg、非処方群で1.5Nm/kgと有意な差はなかった。
【総括】ACL再建術後の競技者に対して、術後4ヶ月の早期から客観指標による比較的長時間のペース走と高強度のインターバル・トレーニングを付加し、持久力は早期に回復した。また、リスク評価として種々の膝関節機能は良好に回復しており、本処方が術後の持久力の早期回復に有用なアプローチの1つとなり得る可能性が示唆された。
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© 2004 日本理学療法士協会
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