理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 88
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骨・関節系理学療法
下肢の構造および機能が側方へのストップ動作に及ぼす影響
足部を中心とした検討から
*三浦 雅史, 和久井 鉄城, 高橋 祐子, 矢吹 裕太
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抄録
【目的】側方へのストップ動作(以下,側方ストップ)はスポーツ動作でよく見られる動作の一つである。側方ストップ時のスポーツ外傷としてはストップ時のアライメントにより,種々のスポーツ外傷を被る。また,下肢の構造および機能異常はスポーツ動作に影響を及ぼすことは推測されるが,これらの関連性について分析した報告はあまりない。本研究では下肢の構造および機能について足部を中心に検討し,これらの要因が側方ストップにどのような影響を及ぼすかについて検討した。
【方法】対象は大学生22名で,両足44足を対象とした。いずれも女性であった。また,対象の競技種目はバレーボールやバスケットボールなどであった。対象に対し,研究趣旨を説明し,同意を得た上で署名し,本研究に参加して頂いた。測定項目は,足部の構造的特徴として足アーチ高率(足長に対する,舟状骨結節までの高さを百分率で表したもの),Leg heel angle(下腿長軸と踵骨とのなす角度)を測定した。下肢の機能的特徴として足関節底・背屈筋力,足趾筋力,重心動揺計による開眼での片脚バランス能力(総軌跡長,外周面積)を測定した。側方ストップを再現するような運動としては反復横跳びを選択した。反復横跳びは側方へ素早く移動し,ストップ,次に素早く反対方向へ移動するため,スポーツ動作時に類似しているのではないか考え,選択した。反復横跳びについてはストップ時の足圧分布を測定した(ニッタ社製,足圧分布測定システム,F-スキャン)。足圧はストップ時の足底を前内側部,前外側部,後内側部,後外側部に4分割し,各々について圧力を算出した。
【結果】足アーチ高率はLeg heel angleとの間に負の相関関係を認めた(r=-0.52,p<0.01)。足アーチ高率と下肢の機能的特徴との関係では,足アーチ高率と足趾筋力との間に弱い負の相関関係を認めた(r=-0.22,p<0.01)。側方ストップ時の足圧は41足(93%)で前内側部に最も高い値を示した。また,残りの3足(7%)はいずれも前外側部に最も高い値を示した。側方ストップ時の足圧が前内側部で高い場合と前外側部で高い場合について,足アーチ高率を比較すると,両者に差は認められなかった。同様に筋力,片脚バランス能力についても差が認められなかった。
【考察・まとめ】本研究結果より,側方ストップの特徴を足圧分布から観察すると,ほとんどが母趾球を中心とした足底の前内側部で接地していることが明らかとなった。この点は側方ストップのパターン化されたものではないかと推察しているが,今後さらなる検討が必要である。また,側方ストップには扁平足に代表されるような足部の構造的不利や筋力などの機能低下が必ずしも影響していないことが示唆された。この点については他の部位(例えば,膝関節)による代償作用なども考えられるが,今後,動作分析や他の部位の構造的・機能的側面からの検討も必要である。
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© 2004 日本理学療法士協会
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