理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 117
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骨・関節系理学療法
当院における理学療法カルテからみたRAOのリハビリテーションについての調査、報告
*山田 隆介柚木 堅之亮藤田 珠理堀田 芳彦土方 浩美
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抄録
【目的】当院では平成11年~14年の間、寛骨臼回転骨切術(以下RAO)の術前、術後のリハビリテーション(以下RAOリハ)を、クリニカルパスに従い行ってきた。RAOとは臼蓋形成不全等に起因する二次性股関節症の患者を対象とする術式であり、1968年に田川により考案されて以来、様々な施設で行なわれ研究報告がなされている。当院でのRAOの運動療法は術後の筋力強化を主体としたものであるが、運動療法における実態調査の報告は少ない。そこで今回カルテから調査をする事により、当院におけるRAOリハの実態を明確にする事、RAOリハにおける理学療法の今後の一指針となる事、RAOリハに関する情報の蓄積に寄与する事を目的とし報告する。
【方法】対象は平成11年6月~14年8月までにRAOリハを行った入院患者全50症例を対象とした。方法はその症例の性差、術側の左右の割合、年齢、運動療法実施日数、車椅子移乗自立までにPTが関わった日数、松葉杖歩行自立にまでにPTが関わった日数について、カルテから調査しそこから平均値、最大値、最小値を算出した。
【結果】患者の性別では女性が48例(96%)、男性が2例(4%)、術側では、右側30症例(60%)、左側20症例(40%)、年齢は13~53歳(平均33.7歳)であった。運動療法実施日数は25~97日間(平均56.9日間)、車椅子移乗自立までのPTが関わった日数は13~30日間(平均23.6日間)、松葉杖歩行自立までのPTが関わった日数は22~80日間(平均35.6日間)であった。
【結語】当院におけるクリニカルパスに従って行なわれていた運動療法は、骨癒合の進行及び筋力に合わせたプログラムであると言え、安静度や荷重変更時期は手術日からの経過日数によって決定されている。車椅子移乗開始は術後28日目、松葉杖歩行部分荷重開始が術後42日目であり、それぞれの平均日数からみたPTの関わっている日数から、早い時期にADLを獲得していると言える。そのなかで、バリアンスが発生した症例は3例認めた。2例は早期転院によるもので、1例は心筋梗塞の疑いによる転院によるものであった。今後PTとして、症例間のADL自立までの日数の差が生まれないようにして、専門性を発揮しうる運動療法プログラムを検討していく事が、重要となってくると思われる。そのためには、RAO症例のデータを収集、蓄積していく事が必要であり、研究を進めていく事が、より質の高いRAOリハにおける理学療法を行っていけるのではないかと思われる。
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© 2004 日本理学療法士協会
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