理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1031
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骨・関節系理学療法
超音波画像診断装置による大腿四頭筋筋形態の検討
変形性膝関節症患者との比較
*三宅 英司山本 尚司赤木 家康
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抄録
【目的】変形性膝関節症患者(以下膝OA)の大腿四頭筋機能低下に関する報告は多々なされているが,形態学的変化に対する報告は乏しい。そこで今回,超音波画像診断装置を用いて健常者と膝OAの内側広筋の近位・遠位部(以下VMP,VMD),外側広筋の近位・遠位部(以下VLP,VLD)における羽状角の計測・比較を行い,膝OAの形態学的変化について検討を行なった。
【方法】対象は,十分な説明を行い,同意の得られた健常者8名10肢(男性2名,女性6名,平均年齢30.6歳),膝OA3名3肢であった。‹症例1›77歳,右膝OA grade1‹症例2›68歳,両膝OA grade1‹症例3›63歳,右膝OA grade1。上前腸骨棘と膝蓋骨上縁を結んだ線の下から1/5を遠位部,2/5を近位部とした。安静時の膝関節角度0°,30°,60°,90°における, VMP,VMD,VLP,VLDの羽状角の撮影を,超音波画像診断装置Pro Sound SSD-5500(ALOKA社製)を用いてそれぞれ5回行った。得られた超音波画像から,Scion Image Beta 4を用いて羽状角の計測を行い,平均値ならびに角度変化時(1)0-30°,(2)30-60°,(3)60-90°の羽状角変化量を算出した。データ解析は健常者の平均値,羽状角変化量について検討した。膝OA3例の羽状角変化量は,健常者の平均値±SDと比較した。統計処理はOne-factor ANOVAを使用し,危険率を5%とした。
【結果】健常者の平均値は,全部位において屈曲角度の増加に伴い減少が認められた(P<0.01)。また角度変化時の羽状角変化量においては,有意差は認められなかった。症例1では(1)全部位,(2)VMP以外,症例2では(1)VM以外,(2)VL,(3)VMP,VLP,症例3では(1)全部位,(2)VMD以外,(3)VMで健常者の平均値-SDより羽状角変化量が少なかった。さらに(1)において,症例1VLD,VMP,症例2VLP,症例3VMDで羽状角の増加が認められた。
【考察】健常者の大腿四頭筋は膝関節屈曲に伴い伸張されるが,膝OAの大腿四頭筋では伸張性が低下していると考えられる。さらに膝OAの(1)では,膝関節屈曲に伴い羽状角が増加している部位があり,機能解剖学的にも異常が示唆される。
【まとめ】膝OAの大腿四頭筋は,健常者と比べて形態的・機能的に変化している可能性が示唆された。今後症例数を増やし,筋形態・機能の解明を行いたい。
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© 2004 日本理学療法士協会
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