理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 369
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内部障害系理学療法
外科手術後における呼吸理学療法施行患者の離床経過について
*荒本 美和, 藤村 宜史, 戸羽 勝味, 平松 和嗣久, 豊田 章宏
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抄録
【はじめに】術後早期に病床を離れ歩行を開始することは、四肢の廃用予防はもちろん肺合併症予防の面でも大きな効果があるとされている。中国労災病院においても外科術後の積極的な早期離床をすすめてきており、手術技術の向上や疼痛管理の徹底もあいまって年々術後極早期での離床が可能となってきている。今回、手術前後に呼吸理学療法を施行した外科患者を対象として、術後の離床経過および理学療法施行日数について調査を行なった。また術前の指導日数との関連についても検討したので報告する。
【対象および方法】2001年8月から2003年9月の間に、当院外科にて待機的に開胸、開腹術を施行した患者のうち、術前より呼吸理学療法の処方のあった118例(男性77例、女性41例、年齢69.7±9.5歳)を対象とした。術式の内訳は上部開腹術66例、下部開腹術35例、肺切除術17例であり、鏡視下手術例や縫合不全等で再手術となった症例は対象より除外した。
 術前の呼吸理学療法プログラムとしては、十分なオリエンテーションの後、腹式呼吸および胸式呼吸の練習、術後を想定した排痰法の指導およびデモンストレーション、Incentive Spirometerを用いた呼吸筋強化練習を処方日より手術前日まで実施した。術後は手術翌日より医師、看護師との連携のもと、十分な深呼吸の指導および排痰を実践するとともに早期離床を促した。プログラム終了の目安は、肺炎、無気肺等の肺合併症がなく全身状態が安定しており、かつ病棟内歩行が自立していることとし、術後1週間を目標として施行した。本研究では、術後、端坐位開始までの期間、歩行開始までの期間、術後理学療法を施行した日数およびそれらの遷延因子を調査した。あわせて術前の指導日数(土日祝日を除く)との関連を検討した。
【結果および考察】術後、端坐位開始までの期間は平均1.6日(1~16日)、歩行開始までの期間は平均2.3日(1~17日)、術後理学療法を施行した日数は平均10.7日(5~49日)であった。全118例のうち43例(36.4%)が術翌日に、88例(74.6%)が術後2日目までに歩行が可能であった。離床が遷延する理由としては、術後ICU管理の長期化(広範囲摘出例、呼吸器離脱遷延例、循環動態不全例など)、ドレーンや点滴等が多数あり歩行困難、嘔吐や気分不良の増悪などが挙げられた。
術前の指導日数は平均4.2日(1~20日)であり、指導日数と術後の離床経過や合併症の発症との間に特に関連はみられなかった。しかし、術後肺合併症に関しては上部開腹術例で5例(7.6%)、下部開腹術例で1例(2.9%)、開胸術例で1例(5.9%)と他の報告と比較しても良好な成績をおさめており、患者に対して術前から排痰や早期離床の必要性を指導し理解を得ておくことが重要であると考えられた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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