理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 663
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内部障害系理学療法
外来透析患者における運動効果の検討
筋肉量と最大酸素摂取量について
*高松 敬三
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抄録
【目的】透析患者が行う理学療法は廃用症候などを防止する点において効果は期待できる。しかし、透析患者の場合、全身的な代謝機能が低下したり、加齢・透析期間の長期化に伴い体力・活動量が低下傾向を来しやすい。今回我々は、定期的に運動を行っていない透析患者に対して、自転車エルゴメーターとパワーリハビリテーション(以下PR)を実施し、運動効果を検討したので報告する。
【対象と方法】対象は、当院外来にて血液透析を行っている運動機能障害を有しない7名(男性6名・女性1名)。平均年齢64歳(55~81歳)、身長166±14cm、体重56.9±12.3kg、透析期間53±49ヵ月。対象者の原疾患は糖尿病性腎症3例、慢性糸球体腎炎3例、間質性腎炎1例である。方法は自転車エルゴメーターを用いた運動負荷試験にて最大酸素摂取量を算出し、各個人の心拍数を指標として運動強度(最大酸素摂取量の50%に相当)を設定し、自転車エルゴメーターを20分間実施した。又、PRは休憩を十分取り入れた後にマシントレーニング機器3機種を使用して行った。尚、週3回の運動を12週間、透析前や非透析日に実施した。
【結果】運動開始3ヵ月後には筋肉量と最大酸素摂取量が有意に増加した。又、3例においては神経筋の協調性や歩行における耐久性の改善もみられた。血液検査所見ではクレアチニンの値が比較的良好であり、エネルギー消費増大に関連して中性脂肪の減少やHDLコレステロールの有意な上昇がみられ、代謝面への好ましい効果発現があった。しかし、透析導入期や心肺機能が低下傾向にある方については上記の運動持続期間が8週間にとどまり、著しい効果は得られなかった。
【考察】今回、一部の透析患者を除き、筋肉量と最大酸素摂取量が増加した点において運動効果があることは示唆された。又、最大酸素摂取量が増加したことで心肺機能や末梢循環・骨格筋を含めた総合的な身体運動能力の向上が推測される。血液検査所見において運動開始3ヵ月後のクレアチニン値の経過変動から骨格筋における代謝促進の傾向が考えられた。又、筋肉量や最大酸素摂取量の増加のみでなく、基礎代謝の上昇など交感神経系機能の賦活効果も加わり、神経筋の協調性や歩行における耐久性の改善が認められたと思われる。しかし、透析導入期の方などは運動持続期間が短かった為、今後は運動処方の再検討が必要である。
【まとめ】運動習慣の少ない透析患者は透析による時間的制約や疾患が及ぼす疲労などにより活動量が低下しやすい。しかし、透析患者が低負荷の身体運動を継続して行なっていくことで将来予測される二次的障害の予防だけでなく、個々における健康維持・増進が期待できる。今後は更に、適正な活動量の設定と木目細かな運動指導を推進していくことが透析患者の生活の質の改善に繋がっていくと考える。
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© 2004 日本理学療法士協会
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