抄録
【目的】
平成14年度診療報酬改訂に伴い、従来の複雑・簡単換算から単位制に変わり、1日最高3単位60分の理学療法が施行可能となった。当院では2001年2月の開院当初より1対1、個別対応での理学療法を実施しており、スタッフの出勤人数や入院患者数により変動あるが、現在可能な限り1日3単位の理学療法実施を図っている。しかし、単位制によりリハ実施時間の増加が可能となったが、3単位実施することでの在院日数の変化に関する報告はほとんどされていない。そこで今回、単位数実施割合による在院日数の違いに若干の知見を得たので報告する。
【方法】
対象は2002年4月1日から2003年3月31日までの一年間に回復期対象で当院に大腿骨頸部骨折で入院し、自宅へ退院した95例(男性18名、女性77名、平均年齢80.8±8.4歳、平均在院日数57.4±25.0日、受傷から当院への平均転院日数26.0±15.0日)である。ただし病的骨折ではなく、手術により良好な整復及び固定が得られ、他に運動器疾患を合併していないものとした。方法は在院日数、入院中に3単位実施した割合、年齢と受傷から当院転院までの日数の各項目で相関関係を調べた。また3単位実施した割合で2群に分け有意差を検定した。
【結果】
各項目との間に相関関係はなかった。しかし3単位実施した割合が在院日数の6割以上(平均在院日数40.9±16.5日)と6割未満(平均在院日数60.0±25.5日)で有意差を認めた。
【考察】
結果より各項目で相関関係は見られなかったが、3単位実施割合で見ると6割以上では6割未満に比べ在院日数に有意な短縮が見られた。これらのことから、年齢や当院転院までの期間に関わらず、3単位実施割合で在院日数が変ってくると考えられる。しかし、安易に3単位実施割合を増加させるだけで在院日数の短縮は図れず、当院に転院してくる大腿骨頸部骨折患者の場合、入院期間の6割以上3単位を実施すれば在院日数の短縮は図れると思われる。
【まとめ】
医療に於ける経済効果を考える場合、在院日数短縮は必須である。そのため、1日3単位の理学療法を提供できるだけの人材確保することにより、在院日数の短縮を図る事は可能ではないかと考える。ただし今回の調査は大腿骨頸部骨折に限局している為、今後は作業療法の介入や他の疾患、受傷前のADL状態と退院時のADL状態等を比較・調査し、更なる知見を深めていく必要があると考える。