理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 510
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理学療法基礎系
Warm-upによる最大筋力発揮への影響
*峯松 亮
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抄録
【目的】様々な運動やトレーニングを実施するに際し,効果的に最大筋力を発揮させることは重要である.そこで,本研究ではウォーミングアップ法の違いにより発揮される最大筋力に差異が生じるかを調査した.
【方法】対象は平均年齢24.0±3.2歳の健常男性14名とした.測定筋は右膝関節伸展筋とし,Dyna-trac(MMT-1000 MODEL300;日本メディックス社製)にて膝関節60°屈曲位で6秒間の等尺性収縮における最大筋力(MVC)を測定した.本測定は前処置なし(コントロール(C群)),エルゴメーターでのウォーミングアップ後(50回/分,10分間;E群),膝屈筋群・伸筋群のストレッチ(S群)後の3条件下で最大筋力測定を行った.各条件下でそれぞれ3回測定し,その平均を算出値として用いた.統計処理は,MVCおよび増加率(%MVC)において,コントロールと他群の差を見るために反復測定分散分析および多重比較検定を行った.P<0.05で有意差ありとした.なお,本研究を実施するにあたり,全ての被験者よりインフォームドコンセントを得た.
【結果】E群はMVC,%MVCとも他群よりも高値を示した. E群,S群のMVCはC群のそれよりも有意に高値を示した.また,%MVC ではE群とS群の間に差は認められなかった.
【考察】本研究では,Warm-upの実施にMVCの発揮に効果があるかをみた結果,2つのWarm-up法はともに効果が示された.E群は下肢筋群の運動,S群は下肢筋群の伸張と方法は違ったもののMVCは効果的に発揮された.これはWarm-up実施により筋への血流量増加および筋温上昇が得られ,筋・結合組織の柔軟性,神経-筋活動の活発化によりMVCの増加が得られたと考えられる.また,本法では動筋と拮抗筋とに前述の効果が得られたためと考えられる.2群に増加率の差が認められたのは,エルゴメーターは下肢のペダル漕ぎ動作ではあるが,全身持久力測定でも用いられる手段でもあるように全身運動であるのに対し,ストレッチは下肢の局所的な効果にとどまったためと思われる.Warm-upは運動やトレーニング中の事故を予防する方策として実施されるだけでなく,筋力増強やパフォーマンス向上のためにMVCを効率的に発揮する手段に有効であることが示唆された.加えて,標的筋だけに作用を与える方法よりも,全身運動的なWarm-up法がより効果的であることが示された.
【まとめ】1.Warm-up実施により最大筋力は効果的に発揮された.2.局所的よりも全身的運動であるWarm-up法は最大筋力発揮により効果的である.3.Warm-upは筋力増強やパフォーマンス向上のためにMVCを効率的に発揮する手段に有効である.
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© 2005 日本理学療法士協会
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