理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1030
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理学療法基礎系
足底面の傾斜がサイドランジの運動特性に及ぼす影響
*田中 則子中江 徳彦淵岡 聡木村 佳記岡田 亜美船本 明子得平 果奈小柳 磨毅
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抄録
【目的】
本研究の目的は、足底面の傾斜の変化がサイドランジの運動特性に及ぼす影響を明らかにすることである。

【対象】
健常青年男性17名(年齢22.8±3.2歳、身長173.0±4.0cm、体重66.9±7.7kg、棘果長86.1±2.3cm)

【方法】
1)運動課題:被験者には両手を腸骨陵においた開脚立位(開始肢位)をとらせ、メトロノームにあわせてサイドランジ(1秒で右側へ最大に重心移動し、最終肢位で3秒間保持、1秒で開始肢位へ戻る)を行わせた。足底面には10度の傾斜板を設置し、 (a)回内傾斜、(b)回外傾斜の2条件を各3回行わせた。2)測定方法:被験者に身体指標を貼付し、運動課題を3次元運動解析装置VICON512 (OMG)、床反力計OR6 (AMTI)を用いてそれぞれサンプリング周波数120Hz、1080Hzで記録した。得られたデータを解析ソフトBody Builderを用いて解析し、最終肢位の仙骨部の側方移動距離、下肢の関節角度と関節モーメントを算出した。同時に、筋電計Myosystemを用いて、右腓骨筋、前脛骨筋、大腿二頭筋、半腱様筋、外側広筋、内側広筋、内転筋、中殿筋の筋活動をサンプリング周波数1080Hzで導出した。3)統計処理:2条件間の比較には対応のあるt検定を用い、有意水準はいずれも5%未満とした。

【結果】
1)仙骨部の側方移動距離:2条件間で有意な差を認めなかった。2)関節角度:最終肢位での足関節背屈角度は回外傾斜で有意に大きく、足関節外反、膝関節外反、股関節内転の角度は回内傾斜で有意に増大した。3)関節モーメント:回外傾斜の足関節底屈、膝関節伸展、股関節内転モーメントは、有意に増大した。4)筋活動:腓骨筋、内側広筋、外側広筋、薄筋、大腿二頭筋の筋活動は、回外傾斜で有意に増加していた。

【考察】
足底支持面の傾斜方向によって、サイドランジにおける支持脚の動的なアライメント変化と関節に加わる力学的負荷が変化することが明らかとなった。足底傾斜による後足部の傾斜は、下腿の前傾と回旋を変化させ、膝関節から大腿、さらに骨盤帯を介して体幹へ運動連鎖を生じ、抗重力筋活動に変化を生じたと考えられた。足底支持面を傾斜させたサイドランジは、下肢関節疾患の筋力強化や協調性の改善に有用である可能性が示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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