理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 4
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骨・関節系理学療法
中学生柔道選手に対するメディカルチェックとスポーツ傷害との関係について
*長谷川 至秋元 博之尾田 敦山内 茂寛小田桐 愛
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抄録
【はじめに】スポーツ傷害発生の危険因子を明らかにすることを目的とし,中学生柔道選手に対して整形外科的メディカルチェックを実施した.今回,スポーツ傷害とメディカルチェック結果との関係について検討したので報告する.
【対象】メディカルチェックを実施した中学生198名中,柔道経験1年以上の162名(男子126名,女子36名,平均柔道経験年数3.0±2.4年)を対象とした.
【方法】メディカルチェック実施期間は平成16年2~6月である.評価項目は,問診(柔道歴,既往歴等),身体組成(身長,体重,BMI),筋力(握力,背筋力),反復横跳び,柔軟性(立位体前屈,上体そらし,SLR角度,尻上がり),関節弛緩性,関節可動域,アライメント(carrying angle,X・O脚の有無,Q-angle,leg-heel angle)の評価である.
【結果】メディカルチェックを実施した時点で,対象の68.5%が何らかの受傷経験または現在傷害を有していた.部位別では足関節,肩甲帯,腰部が多く,傷害別では足関節捻挫,前腕・手指骨折,下腿・足部骨折が多かった.握力,背筋力,反復横跳びは,同年代の全国平均とほぼ同様の結果を示していた.関節可動域では股伸展・内旋制限,足背屈制限が多く,上肢の制限は少なかった.柔軟性では,立位体前屈および上体そらしにおいて,±2SD以下がそれぞれ3.1%,3.7%,SLR角度では70°未満または左右差20°以上が8.0%,尻上がりテストでは陽性3.7%であった.関節弛緩性ではスコア4.0以上が男子7.1%,女子36.1%であった.アライメント評価ではcarrying angle 20°以上が男子2.4%,女子19.4%,O脚(≧顆間距離2cm)が23.5%,X脚(≧果間距離2cm)が8.0%,Q-angle 20°以上が8.0%,leg-heel angle 13°以上が14.8%であった.関節可動域,柔軟性,関節弛緩性,アライメント,いずれも傷害有無との関係に統計的有意差は認められなかった.柔道歴と傷害有無との関係では,傷害を有する群の方が柔道歴が長い傾向であった.得意技は背負投,大外刈,払腰などの技が多く,傷害有無または傷害部位との関係に統計的有意差は認められなかった.しかし,肘関節の傷害を有する者には背負投を得意とする者が多く,問診においても背負投を行う際の肘痛を訴える者が多いことから,誤った技の方法による傷害発生が示唆された.
【考察】評価項目と傷害有無との関係に統計的有意差は認められなかったが,対象が中学生ということから,成長期の高い関節弛緩性や柔軟性のために,傷害との関連性が十分に現れていないと考えられる.またアライメント異常は,長期的に影響を及ぼすことが予測されるため,経験年数の少ない中学生では明らかな影響が現れていないと考える.したがって,中学生のような成長期の評価をする場合の評価項目,方法の再検討と長期的なフォローアップが必要である.
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© 2005 日本理学療法士協会
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