理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 5
会議情報

骨・関節系理学療法
徳島県におけるトップアスリートフィットネスチェック事業
*竹岡 義博松田 寛子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】徳島県では、県スポーツ振興財団(TOPS)および県体育協会を中心に1999年から、1 トップアスリートの評価、2 データの活用を目的にトップアスリート、特に高校生を中心としたフィットネスチェックを実施している。また一昨年から理学療法士、昨年から栄養士が事業参画しコンディショニングやトレーニング、また栄養補給に関する指導も併せて行っている。今回、2003年度までの活動内容を報告するとともに諸兄より有益な事業展開への示唆を模索したい。
【手順】フィットネスチェックの依頼は、各競技団体もしくは各高等学校部活動単位で行い受付窓口はTOPSにある。チェックに要する経費は、競技団体を通じた場合は無料になり、高校単位の場合一人当たり540円の負担である。参加選手の競技種別はウエィトリフティング、弓道、山岳、自転車、ソフトテニス、フェンシング、ボウリング、ボクシング、硬式野球、ライフル射撃、ラグビー、陸上、レスリング、なぎなた、ホッケーの15種目を数え、延べ486(男373、女113)名に対して実施した。
【内容】全体の構成は、1 プロフィールチェック、2 メディカルチェック、3 フィットネスチェック、4 栄養サポート、5 総合評価となっている。プロフィールチェックでは、競技歴・トレーニング状況、体調について問診し、メディカルチェックでは健康状態の把握、関節弛緩性・アライメント検査を実施している。フィットネスチェックとしては身体計測(身長・体重・指極・周径囲・体脂肪率)、筋力(握力・背筋力・上腕伸展および屈曲力・膝伸展および屈曲力)、ハイパワー(10秒間全力ペダリング)、ミドルパワー(40秒間全力ペダリング)、ローパワー(トレッドミルによるオールアウト走)を測定した。栄養サポートでは、個々の食生活および日常生活状況をアンケートにて把握し、競技特性を考慮した上で「食生活アドバイス」を作成し返却している。総合評価では、各チェックの結果に基づいて選手個人にフィードバックすると同時に、チームとしての目標設定にも情報提供している。
【総括】スポーツ医科学の隆盛に伴いこのようなフィットネスチェックは選手サポートの一環として定着している。その一方で体力特性の結果が、競技力向上にどのように貢献しているのか、という疑問が指導者や選手の間に生じていることも否定できない。しかし最大酸素摂取量と陸上長距離選手の競技成績や、背筋力とレスリング選手の競技成績などでは相関関係が認められている。したがってその競技者として不足している体力要因、あるいは個人の競技レベル判定に有用である。また筋力バランスの不均衡やアライメント異常は障害予防的見地からさらには自覚を促す意味でも重要である。今後の課題としては種目・選手特性を更に明確にし、サポートチームが意見交換できる共有の場の設定にあろう。
著者関連情報
© 2005 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top