理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 7
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骨・関節系理学療法
足関節内反捻挫のシミュレーション分析
*浦辺 幸夫岩本 久生田中 浩介
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抄録
【目的】
 足関節捻挫はスポーツ外傷中最多の疾患であり、予防についての研究が必要である。今回、足関節内反捻挫シミュレーション装置を作成し、足関節中間位と底屈位で内反運動にどのような差があるかを分析した。従来、中間位では踵腓靱帯、底屈位では前距腓靱帯が損傷されると考えられてきたので、その傾向を追試する。
【方法】
 重度の足関節捻挫の既往のない大学生14名(男性6名、女性8名)を対象とした。シミュレーション装置は、落とし扉上に片脚立位をとり、突然30°傾斜する仕組みである。傾斜台のみで足関節中間位で内反する内反群と、踵部に約3cmの高さの楔を挿入し20°底屈位にて内反する底屈群の動作分析を行った。足部外側と後面に直径5mmのマーカーを貼付し、2台の高速カメラ(Has-200R、Detect社)で外側方と後方から撮影し専用ソフト(Detect社)で分析した。表面筋電図を長腓骨筋と短腓骨筋から導出し、腓骨反応時間と総筋活動積分値を比較した。
【結果】
 落とし扉の落下から30°に傾斜するまで約50msec、足関節内反の終了までが約140msec、その後外反が起こり、約270msecで最大外反となり、測定終了とした。足関節中間位、底屈位ともにこの時間経過については差を認めなかった。足関節の内反に伴い、両群で距骨の底屈・回外および前方突出に加えて腓骨の外旋が認められたが、底屈群ではさらに第5中足骨の外旋が加わる者が多かった。腓骨筋反応時間は落とし扉の落下と同期するように40~60msecで確認されたが、群間の差はなかった。総筋活動積分値は底屈群が大きかった。最大の足関節内反角が大きい対象では、底屈位で特に距骨および踵骨が不安定になる状況が観察された。
【考察】
 過去の多くの研究で足関節中間位での内反捻挫がシミュレーションされてきたが、今回は内反捻挫の頻度の多い足関節底屈位を設定し、比較した。底屈群で第5中足骨の外旋が特徴的だったが、底屈位の方が足部の外側に大きなストレスが加わり、足部外側の支持機構が不安定になる状態が伺えた。従来考えられてきたとおり中間位では踵腓靱帯にストレスが加わるであろうが、底屈位では前距腓靱帯と踵腓靱帯が同時に伸張される局面が存在することが推察された。
【まとめ】
 足関節内反捻挫のシミュレーション分析では、底屈位での不安定性が大きくなる傾向を認めたが、動作分析から時間経過での明確な差は認めなかった。
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© 2005 日本理学療法士協会
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